50代から『掃除が楽な家』にする部屋づくりのコツ
毎日の家事大変ですよね? 家事といってもたくさんありますが、具体的にどのような事が負担となっているのでしょう?
さまざまな所で「嫌いな家事についてのランキング」が出されていますが、いつもベスト5に入っているのがこの3つ。
・掃除
・食事の支度
・食事の後片付け
その中でも
「掃除を楽にしたい」
という要望は高く。家事の中で「掃除」が負担の方は多いのではと思います。 そこで、掃除を楽にする設備や部屋作りの工夫をご紹介していきたいと思います。
■50代女性「掃除を楽にする家」が必要な理由
▼実は50代女性の家事負担率が高い
ある発表よると、家事の負担感は年を追うごとに増しているようです。50代では70%近くの人が家事を負担に感じているという結果になっています。
そして、家事負担を行っているのは、ほとんどの場合女性です。
「妻の年齢別にみた妻の家事分担割合の分布」によると
50代の妻が「80%~100%家事負担をしている」人の割合は80.9%
「妻の私がすべて家事をしている!」という人も2割強います。男女平等に家事を負担すべきだ。という考え方が広まっている一方で若い世代と比べると、50代はまだまだ女性の家事負担が多いのが現状のようです。
▼リフォーム適齢期も50代
政府の統計によるとリフォームした年齢は平均53.3歳。
30歳前後で家を建てたと考えると、ちょうど家が老朽化してくる頃だからと考えられます。
※H24住宅市場動向調査報告書より
▼今後、掃除が負担になってくる
(個人差がありますが)年齢を重ねると、掃除をするのに必要な気力や体力が下がってきます。「掃除が楽な家」をリフォームで目指すなら、これからの20年を考えた家作りが良いでしょう。
■掃除を楽にする部屋作り5つの案
- モノを片付ける収納を適材適所に
- ホコリの入らないように扉を付けるなどの工夫を
- 床や家具を汚れやほこりが目立たない色にする
- 間仕切りを開け閉め楽な戸に
- 掃除機用のコンセントは高めに
▼モノを片付ける収納を適材適所に
収納が大容量でも、使う場所になければ、わざわざ取りにいかかなくてはならず不便です。元に戻すのも面倒になり散らかりの原因となります。
まずは生活をシュミレーションし、どこにどれくらい収納が必要なのか?モノを分ける事から始めてみましょう。
▼ホコリの入らないように扉を付けるなどの工夫を
オープン棚は、どうしてもホコリが目立ってしまいます。収納には扉を付けます。
収集品などを飾りたい場合も、一部や全体の透明扉を付けるとホコリを防ぐ事ができます。
▼床や家具を汚れやほこりが目立たない色にする
建具や床、家具などは、掃除しやすい(ホコリのたまりやすい溝やフチが無い)形状、そして黒や茶色、鏡面仕上げなどホコリや汚れが目立つ色や仕上げを避けます。
▼間仕切りを開け閉め楽な戸に
軽い引き戸にすることで片手が使えるので掃除の際、負担が軽くなります。
イメージ:アイカ工業Light3Wall
▼掃除機用のコンセントは高めに
掃除で忘れてはいけないのがコンセントの位置、少し高めにするだけで、かがまずに掃除機のコンセントが差せます。また場所はコードの長さも考えて、差し直しが少なく広くかけられるところに設計しておくと良いでしょう。
出典:yahoo知恵袋
スイッチ併用コンセント
ちょっとした「めんどくさい」をたくさん減らす事で、家事の負担が軽くなります。 もちろん、掃除機をさっと出せる場所に置いておくことも大事です。
■掃除を楽にするため設備やロボットの力を借りる
最近では、自動洗浄のお風呂やトイレも発売されています。みなさんご存じ、あのロボットもいます。もちろんすべてお任せという訳にはいきませんが、家事が楽になる設備がどんどん開発されてきています。
▼洗エールレンジフード(クリナップ)
ボタン1つ、10分でフィルターとファンをまるごと自動洗浄してくれるレンジフードです。
【手順】
1.給湯トレイにお湯(40~45℃)を入れて本体にセット
2.洗浄ボタンを押すと集めた油汚れを自動洗浄(約10分)
3.排水トレイの水を捨てる
▼流レールシンク(クリナップ)
周りにレール設けて傾斜をつけることで、洗っている間にゴミが排水溝に流れていきます。油が浮きやすい材質で、キレイが継続します。
▼水ほうき水栓(TOTO)
シャワーヘッドを引き出して、ほうきのようにサッと水で流せばあっと言う間にキレイに流れていきます。水も空気を含ませたエアインシャワーで、ボリュームのある水粒で少ない水でしっかり洗え、節水効果もあります。
▼お掃除浴槽(ノーリツ)
フタを閉めてスイッチを押すと、自動で浴槽を洗ってくれます。
【手順】
1.あらかじめ洗剤を投入口へ
2.洗浄スイッチを押す
3.自動で浴槽の栓が開き排水
4.お湯で予備洗浄
5.洗剤を噴射
6.お湯で汚れをすすぐ
7.洗浄完了
▼アラウーノトイレ(パナソニック)
汚れをはじく素材や隙間レス、フチなし設計等で掃除がしやすい工夫がされています。
市販の台所洗剤を入れておくことで、流すたび少量の水がスパイラルした泡が自動で洗浄してくれます。
▼お掃除ロボット
みなさんご存じのお掃除ロボットです。
勝手に掃除してくれる。かわいい。などメリットはたくさんあります。ただし床に障害物が無い状態の時、活躍するロボットなのであらかじめ片付けておく必要があります。
■掃除が楽になる最大のコツは凹凸が少ないこと
以前、出隅・入隅(でずみ・いりずみ)をなくして、掃除を楽にしたいというお客さんの要望があり試行錯誤した事があります。確かに部屋の凸凹をなくす事で掃除機のヘッドや掃除ロボットが入りやすくなり、掃除が楽になります。
▼キッチン素材もフラットなモノが掃除しやすい
キッチンは、ワークトップの凹凸や溝が少ないものを選び、素材はフラットで汚れが落ちやすいものを。コンロもフラットなものを選ぶとサッと拭く事ができます。
油が飛びやすい場所は、キッチンパネルを貼ると掃除が楽になります。材質やデザインを選ぶ だけで掃除の負担を随分と減らせます。
▼トイレも四角く凹凸が無いと掃除しやすい
来客の際キレイにしておきたいトイレも 四角く収納に扉を付け、凹凸を出来るだけ少なくすると掃除しやすくなります。
便器自体も、数十年前のものと比べると、凹凸がなくなり、掃除が楽になるよう工夫されています。
昭和51年頃のトイレ&totoネオレスト
■まとめ
掃除が楽な家を目指すには、家事をメインにされている人だけでなく、まわりが楽しく手伝える家であることも大事です。家が新しくなったら、手伝うようになったという旦那様もいます。
そのために、まず 家の設備選びや部屋の工夫をし 負担を軽くする。 リフォームは「楽」で「楽しい」暮らしを手に入れるいい機会です。ぜひ参考にしてみてください。
参考データ
国立社会保障・人口問題研究所の公表する「第5回全国家庭動向調査」の「妻の年齢別にみた妻の家事分担割合の分布」(2014//8/8公表)
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