注文住宅で設計事務所が候補にあがったら知っておきたい4つのこと
注文住宅を建てようと思った時に、設計事務所が比較検討に上がる事があります。
設計事務所で、注文住宅を建てるメリットとデメリット、そもそもハウスメーカーや工務店とどう違うのか?ご紹介します。
(色々な設計事務所がありますが、今回は、注文住宅の設計を主に行うタイプに限定します。)
■ 設計事務所と工務店、ハウスメーカーとの違い
▼ 実際には、家は造らない設計事務所
「設計事務所」とは、設計を主に業務として行っている事務所の事を言います。
家の設計を専門に行っている人の集まり。もしくは個人ということになります。
逆に言えば(稀に施工も行う、設計事務所もありますが)家は実際には造らないという事です。
そしてもう一つの仕事は、施工する業者(工務店)が、設計者の意図をわかって、図面通りに建てられているかを見る『監理』になります。
設計事務所の大部分は少人数で、一人や夫婦で営んでいる所も多くあり、個人では建築家や設計士と呼ばれることもあります。
さまざまなタイプの設計事務所がありますが、注文住宅に関して言えば、クライアントのための家づくりを行うという共通点があります。
▼ 注文住宅を建てる際の 設計事務所と工務店の主な違い4つ
「注文住宅を請け負っている工務店」は、自社で設計する所と、自社で設計を行わず、設計事務所に依頼し施工をメインにしている工務店があります。また、その両方を行っている工務店もあります。
ちなみに弊社で言うと、設計事務所の依頼を受けて施工したり、自社で設計施工も行いますので、両方を行うタイプの工務店になります。
建売の施工業者や、規格住宅を建てる工務店を除いて、基本的には、こちらもクライアント1人1人の家づくりを行います。技術や経営方法がバラバラのため、表面だけで見分けるのは難しくなります。
『(自社で設計施工を行う)工務店と設計事務所との大きな違い』
- デザイン性の違い(ハイセンスな工務店もあるが、デザイン力は設計事務所の方が高い場合が多い)
- 工期の長さ(設計事務所は工期が長くなる傾向)
- 監理を行うのが自社か他社かという違い
- 比較すると工務店の方が、安く建てられる事が多い
▼ 注文住宅を建てる際の 設計事務所とハウスメーカーの主な違い4つ
「ハウスメーカー」は規格化され、効率的な設計、施工方法になっています。
単体のプロジェクトで、建築家とコラボしている所も見受けられますが、 基本的には一つの会社で、すべて完結します。
設計や施工方法が統一され、基本的に規格化されていますので、効率重視の家づくりです。設計料や家自体の価格だけを比べると、コストは割安と言えます。
『ハウスメーカーと設計事務所との違い』
- デザイン性の違い(ハウスメーカーは一部を除いて規格住宅)
- 工期の長さ(設計事務所は工期が長くなる傾向)
- 監理を行うのが自社か他社かという違い
- (会社によりますが)規模の差での安心感
コチラも参考に
設計事務所・工務店・ハウスメーカーどこに頼めばいい?見つける前の1つの大前提!
▼ まとめると設計事務所の特色はコレ
設計事務所の一番の特色は、、設計と監理をメインに行っていて、設計と施工が独立した会社。と言うことになります。
■ 設計事務所の注文住宅 雑誌に出てくるようなデザインだけじゃない
▼ 設計事務所でも、空間や生活を設計するというタイプも
設計事務所、建築家というと雑誌に出てくるようなデザインを想像しがちです。
確かに、デザインを重視しない設計士、建築家はいませが、 デザイン性が良いというのは主観的なもので人それぞれ違います。
見た目ではなく、空間をデザインするという設計士もいます。
それぞれ、特徴や得意分野があるので、過去の作品を見せてもらうと共通点を見つけられるでしょう。
■ 実は名乗るだけで建築家
▼ 建築家や設計士は資格ではない
実は、建築家や設計士に資格があるわけではありません。ですから、設計の仕事に少し従事しただけでも名乗れば、それで建築家や設計士になるのです。
建築家や設計士は、俗称で呼ばれる言葉なのです。
但し、注文住宅を建てる際の申請で、建築士の資格が必要になるため、資格を持った別の人に頼む事になります。
▼ 注文住宅 設計事務所で建てるなら資格のある設計士に頼むべし
建築士の資格としては、3つ
- 1級建築士
- 2級建築士
- 木造建築士
1級建築士以外は、それぞれ建てられる規模や構造に制限があります。
今では少なくなったようですが、中には資格を持たない設計士や建築家もいるそうです。最低限、資格を持った建築家、設計士(つまり建築士)に頼まれる事をお勧めします。
■ 設計事務所で注文住宅を建てるメリットデメリット
▼ コストは高くなるがチェック機能が働く
自社で、設計施工を行っている工務店やハウスメーカーと比べると、数十万ほどの設計料が、数百万円かかることになります。
監理と言う、他の2つにはないチェック体制が働きますが、その分 監理料が発生します。
他と比べて、ほぼコストは上がります。
しかし、監理と言うチェック機能に、付加価値としての魅力を感じて、設計事務所と言う選択をするユーザーもいることは確かです。
▼ 本体工事自体は、工務店に相見積をとるので適正な価格になる
設計事務所に頼むという事は、同じ材料で同じ設計になるため、直接、工務店に行って作ってもらった見積書とは違い(手法がバラバラなので比べられない)本当の意味での相見積りになります。
材料や作り方がまったく同じ条件なので、工務店ごとの金額の違いだけになります。 でも、建築家、設計士は金額だけで工務店を選ばない。
▼ 施工する工務店との関係性も大事
設計と施工が別なのでチェック機能が働きますが、施工する工務店との関係にも注目しておいてほしいと思います。
同じ工務店ばかりの施工だと、慣れもあってあまりチェックに来ない場合もあります。 だからと言って、意思の疎通がしっかりとれていないと、それぞれの役割がきちんと果たせません。
適度な距離感をもって、それぞれがプロの立場で、チェックし合える関係性がベストです。
弊社でも、建築家のお仕事をしますが、慣れた工務店とやっていきたいという建築家、設計士の方もいるのでどういう考え方なのかもキチンと聞いておく必要があります。
▼ 条件の悪い土地は、設計事務所のプランを聞いてみるのも手
注文住宅を建てたい土地が、変形地や建てるのが難しい土地でも、得意の設計技術でクリアしてくれる建築家、設計士もいます。
お持ちの土地に対して、工務店やハウスメーカーで満足のいく設計プランが無い場合、設計事務所を訪ねてみると良いかもしれません。
弊社がお付き合いのある設計事務所でもそうですが、一般的に条件の悪い土地でも、それを活かすことを得意としている所もあります。
■ まとめ
多くの人が、注文住宅を建てる際、ハウスメーカーのモデルルームに行き、そこでデザイン性に違和感を感じて設計事務所を探すそうです。
しかし、ハウスメーカーや工務店とは少し違ったシステムになっているため、その違いを知っておく必要があります。スムーズな設計事務所探しの参考にしてみて下さい。
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