家の寒さ対策~簡単に寒さを和らげる3つの方法!~

snow.jpg 年を取るごとに寒さがこたえますが体だけでなく年数の重ねた家も、もともとの気密性の低さに加えて、築年数が増えるほど家のゆがみなどで家の寒さは増してきます。

家の寒さは、気密性の高い家に建て替えるのが良いのですが、簡単にできる事ではありません。

お金がかかっても最初にやっておけばよかった断熱リフォームの効果や方法についてはコチラでご紹介しています。

そこで今回は、比較的簡単にできる、寒さの原因とそれを和らげる3つの方法をご提案したいと思います。

■寒さの原因はあったかい空気が逃げるから

▼暖かさが1番逃げていくのは窓

家の寒さを和らげるキーワードはズバリ『窓』です。
暖房などで温めた空気は、※約58%窓から逃げると言われています。冬に窓際に座ってみると良くわかりますね。まずはそこを塞ぐことが一番の対策です。

cold_easy01.jpg 省エネ1999年基準(次世代省エネ基準)で建てた家(資料:(社)日本建材・住宅設備産業協会の資料を基に作成

■性能が低い日本の窓

先進国の仲間入りを果たしている日本ですが、窓は世界が驚くほど性能が低いものだそうです

▼外の寒さを伝えやすいアルミサッシ窓が多い

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大きいほど熱が伝わりやすい事を表しています。 よくあるアルミサッシは、外の寒さをとても伝えやすいという事になります。 アルミニウムは、鍋を使うと沸騰が早いことからも分かるように、熱を伝えやすい金属なのです。 樹脂製のサッシと比べると1000倍の差があります。

▼世界と比べてアルミサッシが多く使われている日本

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資料:樹脂サッシ普及促進委員会

日本では約90%がアルミサッシなのに対して、アメリカでは16% 
理由は、全50州のうち24州でアルミサッシが禁止となっているからだそうです。 (2014/11/7 7:00日本経済新聞 電子版より)

※東京大学/坂本研資料より

■窓から寒さ対策を考えた簡単に寒さを和らげる3つの方法

このように、寒さの原因は、窓が大きく関係しています。
そこで、窓から考えた簡単に寒さを和らげる3つの方法をご紹介します。

■【その1】窓に断熱性の高いカーテンやシェードを付ける

▼保温性の高いカーテンはマークで分かるメーカーもある

川島織物セルコン、アスワンなどメーカーによっては、カーテンの保温性にランクを付けています。 高い順に、ランクSA~ランクCの4 段階に分けて分類しています。

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SAランク:保温率28%以上。もっとも保温性の高い
Aランク:保温率20%以上。保温性の高い
Bランク:保温性15%以上。保温性は中程度
Cランク:保温率15%未満。保温性は弱い

▼カーテンの縫製方法で保温性を高める

【カーテンに裏地を付ける】
裏地つきのカーテンを購入しても良いのですが、後付けの裏地ライナーも売っています。

【3枚重ねの縫製】
厚手のカーテンに中生地、裏生地を付けて3枚重ねのカーテンです。間に空気層もできるので保温効果があります。

▼カーテンの大きさで保温性を高める

cold_easy10.jpg 【長くする】
床に付くくらいの長さのカーテンを吊るすと、隙間から冷気が入らないので保温性を高める事ができます。 掃出し窓だけでなく、腰窓でも床まで吊るすと保温性がアップします。

【リターンを付ける】
カーテンの上部にバランスと呼ばれるカーテンで覆ったり 横部分にリターンを付け、窓を覆うような形にすると、窓からの冷気が抑えられ寒さを和らげます。

写真出典:アスワン

▼カーテンレールを付ける位置を変える

窓枠付近の壁にカーテンレールを付けるとどうしても上部が空いてしまいます。
カーテンボックスを付けたり、天井にレール取り付けると窓を覆う面積が大きくなるため、寒さ軽減が期待できます。

▼暖色系の色を使って気持ちからあったかくする

暖色系の色は、寒色系に比べて3度ほど暖かく感じると言われています。
季節ごとに交換して楽しんでも良いかもしれません。

▼空気の層を含んだスクリーンを吊るす

hanikamu.jpg 最近、ハニカムスクリーンと呼ばれる、窓に取り付ける蜂の巣構造のスクリーンも注目されています。中に空気の層ができることで断熱性を高めています。ブラインドのように上げ下げできるもので左右の窓枠にレールを取り付けるとより一層断熱性を高められます。

▼蓄熱保温のレースカーテンを吊るす

繊維メーカーが開発した特殊糸を使った「太陽光エネルギーを利用して蓄熱保温する」レースカーテンがあります。

カーテンメーカーの実験では、通常のレースカーテンに比べて「部屋の保温効果が2.6~3.6度違う」という結果が出ています。

価格は、25000円~35000円程度(2m×2m)

▼カーテンは日暮れ前に閉める

太陽が当たっている昼間は、カーテンを開けてたっぷりと暖かさを取り込みます。そして、日が落ちる前にカーテンを閉めて暖かさを逃がさないようにします。

■【その2】窓際に窓下用ヒーターを置く

窓の近くでは、冷やされた空気が下降してくるダウンドラフトやコールドドラフトと呼ばれる現象が起こっています。
足元に冷たい風が流れるので、隙間風と間違えられますが。冷たい空気が窓の上部から流れています。その冷たい風に対抗するための暖房器具として、窓下用ヒーターが有効です。

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▼様々な名称で売られている窓下ヒーター

win_radi.jpg 名称としては「結露防止ヒーター」「マルチヒーター」「窓下ヒーター」や「ウインドラジエーター」などがあります。窓際の寒さだけでなく結露も防止してくれ、補助暖房として有効です。

写真:ナカガワ工業 マルチヒーターZZ-NM900

▼窓下ヒーターのメリット8つ

・暖かい空気の壁を作るので外からの冷気を防いでくれる
・置くだけで工事が不要
・伸縮性のあるものもあり、サイズ展開も多いので窓サイズに合わせる事が出来る
・タイマーがあるものもあるが、シンプルに電源を入れるだけのものが多い
・窓の結露も防止してくれる
・高温にならないため、触れても火傷することはない(65度程度低温やけどは注意)
・デザイン性の高いものが多い
・1キロ~2キロ程度で軽く設置しやすい

▼窓下ヒーターのデメリット5つ

・本体価格は1台12000円~30000円くらいのものが多く比較的高額
・電気代は1台月400~600円程度、何台も使用すると負担になるかも
・窓の近くにコンセントが必要
・立ち上がりがゆっくり
・あくまでも補助的で、メインの暖房器具にはならない

▼窓下ヒーターの実験、窓際8cmのところで温度差5度

あるサイトで実験では、ウインドラジエーターを「使用している窓」と「使用していない窓」の違いを計った所、窓際8cmの所で5度の差があったようです。

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出典:価格ドットコムマガジン”防寒の要は”窓”にあり! 窓専用ヒーター「ウインドーラジエーター」で冷気をシャットアウト”

■【その3】窓を二重にする

w-window.jpg こちらは冬の寒さ対策だけでなく、夏のクーラーの熱を外に逃がさない効果もあり年中を通して省エネ効果があります。体感できるブースを設けているところもあるので、一度ショールームなどに足を運んでみるといいでしょう。

▼二重窓のメリット

cold_easy08.jpg ・ガラス、サッシに機能性が加わったものもあり希望に応じて選べる(結露を防止できるもの、防音を期待できるものなど)
・防犯性が高められる(2つ破らなければ入れないため)
・間に空気層ができるため、断熱性が高められる
・サッシにより気密性が高くなり、防音性が高められる
・結露防止が期待できる

▼二重窓のデメリット

・リフォーム工事が必要な場合が多く、窓の枠が必要(枠がなければ後付けで、出っ張る)
・鍵が2つになるので、窓を開けるとき手間
・結露掃除は楽になるが、窓掃除の枚数は増える

▼複層ガラスにすると より断熱性が高められる

高断熱型Low-E複層ガラス 日差しを取り込みながら、部屋の中の暖かさは逃がさない

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出典:リクシル、YKKAP

▼実際に使った人の口コミ

『寒い日の窓辺も以前のような冷えを感じません。』
ガラス:Low-E 複層ガラス(断熱タイプ)YKK
『ガラスは5mmを選んで正解でした。
3mmとの価格差は少しですが断熱性能の差は大きいと感じました。』
リクシルの内窓 インプラス
『従来の窓では外からの寒気が入り効率が悪かったんですが、この2重窓でかなり改善しました。(実測温度差4.7℃)』
リクシルの内窓 インプラス

出典:YKKAP 楽天

▼自分でも二重窓がつけられる

ポリカーボネイトやプチプチでdiyし、二重窓にしている方もいます。
また、サイズを計り二重窓を制作してもらって、自分で取り付けるという方法もあります。一人で取り付けは大変だったという声もありますが、工事費が節約できるので、興味のある方は挑戦してみても良いかもしれません。

▼二重が面倒ならガラスを交換する

cold_easy09.jpg サッシを今のまま使い、ガラスだけを交換するという方法もあります。

中に空気やガスを挟んだガラスに交換することで、1枚ガラスに比べて断熱性はアップします。

ただ、サッシ自体がアルミの場合、外の寒さを伝えやすいので効果が薄れるかもしれませんが「二重窓は、開け閉めが面倒だ。」という方は検討してみてはいかがでしょう。

画像出典:旭硝子

■まとめ

寒さ対策には、窓際からの「冷たい空気」をシャットアウトするのが有効です。 3つの対策すべてを行うと、大きな変化を感じると思います。予算やあなたのスタイルに合わせて上手に取り入れ、窓際対策を行ってみて下さい。

ただし、窓の他にも断熱材の入っていない壁や直接触れる床など、寒さを感じる理由は一つではありません。断熱材の入っている家と入っていない家では、寒さの体感は大きく違いますその場しのぎでいいのか?それとも根本から考えるべきなのか?

どの対策が、あなたやその家に合っているのか判断し(時にはプロに相談し)、必要に応じてその他の対策もとるようにしてください。

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