シニア世代 間取りと人生設計のルール
明治大学准教授 園田眞理子先生の「大きな老後」と「小さな老後」というコラムによると、シニア世代の夫婦の生活についてこう書かれています。
今の夫婦は、子育てが終わった後の期間が、30年ある。この30年のうち最初の10年は、子離れしながら、ゆとりある生活を楽しむ時期。その次の10年は、夫が退職し、夫婦そろって楽しむ時期。最後の10年は、夫婦のどちらかが健康を害したり、看取る可能性がある時期だとしています。
そして、一般的には、女性のほうが寿命が長いため、最後の10年の主役は、もちろん女性です。 ですから、最後の10年の主役である女性が、今後の過ごし方、住まい方をどうするかを決定するべきではないでしょうか?
その答え次第で、住まい方も変わってきますので、今の家をリフォームするのか、建て替えするか、それとも、住み替えするのかが決まってくると思います。
たとえば、今の場所で永住するという決断をし、リフォームや建て替えを考えた時、最初の10年は趣味や独り立ちされたお子さんのために時間を使うため、趣味やお子さんが返ってきたときのことを考えた部屋が必要です。
その次の10年では、ご主人が家にいることを想定たつかず離れずの空間が必要です。
また、その次の10年のことを考えると、介護しやすい。されやすい空間にしておく必要があります。
そう考えると、可変的な家が必要だということがわかります。将来のことを考え、間口を広く取ることはもちろん。今不要な手すりなどもつけれるように下地を付けておく必要があります。ダイナミックに考えるなら、完全な個室は作らず、大きな空間に可動式の間仕切りをつける程度にしておくと、シニア世代の変化に対応できるのではないでしょうか?
50代60代というのは、これから先、自分たちがどう生きるかの人生設計を、再度建てる時期だと思われます。まずは、10年ごとのスパンで人生設計をし、それに沿った住まい方を考えてみてはいかがでしょうか?
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