建築士インタビュー1~色々あって工務店はじっくり検討して絞りました~

妥協を許してくれない。一言でいうと仕事師ですね
上農富朗建築士タイトル
上農建築士写真

今回インタビューをさせてもらったのは、設計士の上農富朗様
山の加工場ネットワーク シティフォレストとの太いパイプを持ち、無垢材を使った住宅を多く手掛けています。設計のプロから見た、住まい工房にしいちの施工について語ってもらいました。

住まい工房にしいちは設計施工だけでなく、建築家さんとの家づくりも行っています。

信頼できるパートナーそれが工務店の決め手です

Q.にしいちとは、どこで知り合って、どれくらいのお付き合いですか?

お施主さんを通して、出会ったのが最初ですね。もう10年位になりますか。
お施主さんのたっての希望でにしいちを使ってくれって。
当時あまりいい工務店がいなくてね。ところが、にしいちの現場管理は、僕より厳しい(笑)
ふすま一つとっても、僕の知らないところで何度も作り替えさせてた事があります。

そう意味で言うと妥協した仕事はしたくないんでしょう。一言でいうと仕事師ですね。

Q.建築士として施工する工務店選びのポイントは?

僕の所に入ってくる仕事はこだわりの仕事ばっかりなんですよ。
だから工務店選びのポイントは大きく2つ

・一つは、仕事をよく知っている事
・もう一つは、僕の意図をくみ取ってくれる事です。

任せておくとしっかりとした、絵をかいてくれる(施工してくれる)から、安心しています。 でも、こちらも妥協をさせてもらえないですけど。

Q.特に印象的だった現場はありますか?

建築家インタビューイメージ画像佐野邸最近一緒にした、堺のリフォーム佐野邸です。
難しい仕事だと最初から分かっていたので、仕事を知らない工務店では、よーせん(無理)やろと思って、現場調査の段階から、にしいちさんと一緒に行ったんです。

玄関の壁全面ヒノキの無垢板なんですけど、僕はあれはあそこまで提案していないんですね。 やりたかったけど僕が提案するとお金ががかかっちゃいますから、(施主と建築家の)思いをくみ取って施工してくれる。

おかげで、施主さんも、にしいちさんも、僕も満足したものが出来上がりました。

うちのポイントポイントなる施工は、すべて、にしいちさんですね。

Q.にしいちの見積もりはいかがですか?

建築家インタビューイメージ画像家見積もりしてもらって、値段が出れば、値下げが出来ないですね。最初から全力です。諸経費で少し削ってもらうとかはたまにありますが・・・。

にしいちさんのところは、大量に仕入れてということをしないので、その分単価は多少割高なのですが、一つ一つ完全な注文住宅なので、それは、仕方がないと思います。

昔、にしいちさん含めて3社競合の見積もりがあったんです。にしいちともう一社はよく似た金額だったんですが、もう一つが 3000万円の家で300万値引きした工務店がいたんですね。私は、どっかで手を抜くのが見えてるから勧めなかったんです。

でも、お施主さんは、そこの工務店を選んで・・・。僕は、納得いかなかったんで断ったんですよ。 そのあと、お施主さんがその工務店と契約して、次の日でした、そこの工務店 夜逃げしちゃったんです。

そんな事もあって、施工してもらう工務店はじっくり検討して絞りました。その中の1つがにしいちさんです。 大手の工務店とも関係していたから、お願いしようと思えばあるんですが

・技術的に強烈に妥協しないところ
・『住宅というのは建てるまでが仕事ではない、建ててからが仕事だ』

という代表の西さんの言葉が気に入って、長いお付き合いさせていただいています。

建築家インタビュー:僕よりもっとくわしいから・・・。

Q.上農さんがお客さんと打ち合わせの時に気を付けていることはありますか?

お客さんのところに行って、打ち合わせる事がほとんどですが、 僕の場合雑談が多い(笑)

間取りを2・3種類持っていって、それを見て、雑談が始まります。

例えば、「リビングで旦那がゴロゴロテレビを 見てて邪魔なのよ~」という奥さんの話があれば「じゃあ、ご主人専用のテレビ部屋でも作りますか?」とご主人に投げかける。「でも人の気配を感じてないとさみしい」という返事がかえってくる。

そうすると、家族の気配が感じられる、ご主人の部屋が間取りに反映されるわけです。

何気ない会話から、家族の希望や要望を読み取り、間取りに落とし込んでいく。
細かい技術的な話はお施主さんとはできないので、設計者は雑談からお施主さんの要望を捕まえるのです。

Q.では、にしいちと、どんな技術的な話をするのですか?

建築家インタビューイメージ画像お茶室例えば、雑談の中で趣味がお茶の方がいて、裏千家か表千家は聞くのですが、そのあとの水屋(茶室に付随する、茶事のための準備や器物を納める場所)をどうするとなったとき、決まり事など、より深い専門知識が必要なんです。

施工の時、設計者(建築士)として言った事が、施工者(工務店)に分かってもらわないと困るのですが、

にしいちさんは、僕よりもっと知っているから、突っ込んで聞いてくるんです。だから、逆にこっちが困ってしまうんです(笑)

趣味と仕事が一緒になってるんですね。だから、図面書くことも、生活をイメージすることも全然苦じゃないと思いますよ。好きだからこそ幅広くいろんなことも知ってるんだと思います。

建築家インタビュー:ほっとできる空間でなければならない

Q.設計士として考える住宅設計とは?

建築家インタビュー:イメージ画像住宅イメージパース住宅の設計とは、生活をする場所を提供するのであって、生活ができないようなホテルの部屋を作っているわけではないので、機能だけではだめ。そのへんでにしいちさんと話が合います。

家に帰ってホッとできる空間があるのか、オフィスと同じような空間が広がっているのでは、全然ちがうでしょ?

住宅は、ホッとできる空間でありながら、シェルターで身の安全を保証できるものでないといけない。だから僕は構造計算をしっかりします。 耐震、風、騒音、日照問題全部ひっくるめて、シェルターでなければいけない、デザインはその先にあると考えています。

家は、建築家の作品ではないんです。作品にするのは、そこに住む人なんです。

僕は、
設計士は、施主さんの望む 生活をする家を作る人
設計家は 芸術として住宅を作る人(芸術性が高いという事は重要)
設計屋は 作業として家を設計する人
だと思っているんですね。

設計士は、住むためのスペースを造ります。 お施主さんは、雑談で、いろんな事を言ってもらったらいいんです。その中で、こうだったらだめですか?こうしてみては?と具体的な提案をします。それで、採用するかしないかはお施主さんの自由です。