【注文住宅 コストダウン】建てる前にある事をするだけで一石二鳥
注文住宅のコストダウン方法と言えば、ランクを落としたり、最新設備をあきらめたりという方法が考えられますが。その前にぜひ、やってもらいたいコストダウン方法があります。それは、『モノを減らす事』
断捨離という言葉が流行りましたが、建て替えの際に行うと、特にコストダウンに効果があります。その理由と方法をご紹介します。
■豊かさの象徴?モノにあふれた家が増えている
▼分譲住宅購入者に聞いた不満1位は「収納」
分譲住宅購入者を対象とした住宅市場データ”「日常生活&収納」の不満”のアンケートで、
[日常生活で不満に感じることは?]の問に対して
「すっきりと部屋が片付かない」が堂々第1位にランクインしています。
特に分譲住宅で、あらかじめ決められた収納しかないのが原因の一つだと思われますが、なんでも手に入る現代の日本。モノが多い。収納がない。という悩みを抱えている人は多くいるようです。
▼マンション住まいは、意外とモノが少ない人が多い
引っ越しの荷物量を調べたサイトによりますと、同じ3LDKで暮らす人でも、荷物の量が大きく違う事が分かります。4トントラック1台分の人よりも、軽トラック1台分の人の割合の方が多いことに驚かされます。
sumo(間取り別「引越し荷物量」徹底チェック)
▼注文住宅などの一戸建て 器が大きくなると、荷物が増える
新築時はマンションからの引っ越しが多く、荷物の事はさほど気にならないのですが、年数を重ねるうちにモノが増えていった。という方が多いように思います。
■モノを大切にするのと不要モノを置いておくのとは訳が違う
「モノを大事する」という、古くから日本人の考え方として根強くあるからかもしれません。しかし、昔の人は1つのものを大切に補修しながら使ってきました。モノがあっても何年も使わない。あることすら忘れている。というのは、意味が少し違っているような気がします。
▼避難所暮らしを経験して分かった、多くのモノはいらない。という結論
日本経済新聞のweb版に漫画家ゆるりまいさんの、断捨離の枠を超えた「なんにもないウチ」が紹介されていました。こちらは極端に何もない家。出ているものだけでなく、収納棚にも必要最低限のものしかない。たたむのが面倒だからと靴下や肌着も最低限。お友達に気味悪がられるほどの何にもない家。
しかし、実はそんな彼女の家は東日本大震災で被災し、建て直した家だそうで
それまで住んでいた家は、昔からの着物や家具が占領した、まさに汚屋敷だったそうです。最初、やはりモノを捨てる事に抵抗があった家族も震災、避難所暮らしを経て「モノは多くはいらない」という結論に至ったそうです。
■家の建てる前にモノを減らすメリット
▼モノが減るとコストダウン
“ゆるりさん”ほどでなくても、モノを減らすという事を家を建てる前にやっておくと多くのメリットがあります。モノが少ないと収納スペースを減らせるので、その分コストダウンし予算を他に使えたりします。また、荷物が減った分引っ越し費用も抑えられます。
一気に減らすことは難しいと思うので、家を建てる前には、少しずつ「モノを減らす」を実行して見てはいかがでしょう。そして、必要なものだけになった荷物で、自分たちに合う暮らしを設計してもらうとよいのではないでしょうか?
▼一時保管にも費用がかかる
建て替えの場合、一時的に引っ越さなくてはなりません。その際、同じ大きさの家を借りる人はいません。多くの場合荷物はどこかに預ける事になります。庭にコンテナを置いて、荷物を一時保管されたお客様もいましたが、それだけ広い庭があるとも限りません。
トランクルームに預けるにしても、2畳サイズで12000円/月ほどかかります。(大阪)
モノが多い家だと、2畳サイズでは足りませんし、それを往復で運ぶのも費用もしくは耐力が必要になります。
▼引っ越し費用は荷物の量(トラックの大きさ)によって変わる
引っ越し業界には、トラック1トン当たりの相場があるそうです。
通常期は2万円/トン
4トントラック×2万円=8万円
もちろん単純に当てはまらない場合や距離や時期にもよると思いますが、モノの量によって引っ越しの料金が変わることが分かります。
▼収納場所を作るだけで210万円もかかっている?
収納場所はどれくらい必要でしょう?例えば、総面積の10%を収納とすると、2階建てで延床面積200m²の場合で20m²(12帖ほど)です。12帖も?と思うかもしれませんが、一般的に、収納率は10~12%が理想だとされています。
家の本体価格が2100万円とすると、単純計算10%の収納で210万円 12%だと252万円も収納に費用をかけている事になります。
▼軽トラック1台分収納なら52万円?
極端な話ですが、マンションから軽トラック1台分の引っ越し荷物(5m²)だとすると
上記の例で行くと収納の為の費用は52.5万円になります。
逆に4トントラック1台分(30m²)なら 上記の例で行くと15%分に相当します。315万円を収納のために、使っていることになります。
作り付けの家具や棚、扉などを増やせばどんどんと価格は上がっていきます。 必要なモノを、必要な場所に収納するために使うのなら有意義ですが、何年も仕舞っておく為だけに使うのは、勿体ないです。
▼モノが少ないと掃除の負担も減らす
冒頭のアンケートでも「掃除が負担」という答えが上位に入っていますが、そういった方にもモノを減らすことはメリットがあります。
掃除が負担になるのは、負のスパイラルに陥るからではないでしょうか?
「モノを片付けるところから始める」⇒「モノを仕舞うところがない(あふれている)」⇒「とりあえず空いてるスペースに置く」⇒「モノを移動させて掃除する」⇒「面倒」⇒「掃除が苦になる」
上記のゆるりさんも、
“雑貨や花を美しく飾れるのは、そこに積もるほこりにまで目が届き、掃除ができるマメな人だけ。いかに楽して掃除するかを考えれば、自然にモノは減ります”と話しています。
■注文住宅 コストダウンにつながるモノを減らす6つの秘策
▼小さなモノを減らすと大きな家具が不要になる
例えば食器棚。普段に使う食器は限られているはずです。使っていない食器類を減らすことで、カップボードや食器棚が不要になったり、小さくなったりします。また、キッチンは以前に比べて戸棚や引出が工夫され、収納力がアップしています。調理器具の収納で余ったスペースを有効に活用されてはいかがでしょう。
▼予備や不要な家電は早めにリサイクル
例えば、リサイクル料がかかるからと、押入れの奥に入っているテレビ。液晶なら無料で引き取ってくれる場合もあります。また、新しく買い換えたけど、まだ使えるという家電。予備の家電というのは、ほぼ使いません。保管しておいても型が古くなるだけです。早めにリサイクルショップやオークションに出しましょう。
▼季節やイベントのモノはレンタルを検討
キャンプ用品やお雛様や子供の節句
子どもが大きくなって、ひな壇や兜など不要になったものは、思い切って買い取ってもらう。それが無理なら寄付や、人形供養に出しましょう。
また、キャンプ用品など、一時期しか使わないモノはレンタル品を検討してはいかがでしょう。新しいものは処分しづらいと思うので、古くなったものから処分し、次回からはレンタルにするなど家族で話し合いましょう。
▼思い出の品をデジタル化できないか検討
捨てづらい子どもの作品は、写真に収めて記念作品集に。また、本をデータ化する業者もあるので(アルバムと言う「形」に思入れが無いなら)例えば、夫婦それぞれある卒業写真も思い切ってデジタル化。小中高と分厚い本がいつでも見れるデジタル写真になります。
▼面倒だけど自治体の回収が一番安い処分方法
処分が手におえない場合、回収業者に頼む方法が一番早いのですが、人を使う分、高額になります。
費用がかからないのは、自分で自治体の回収処分に出す方法です。処分回収費用が無料の自治体は少なくなってきましたが、それでも1番安い方法です。
▼一度の処分は大変。こまめな整理が大切
一時不用品を保管のつもりが、ついつい面倒だったり、忘れていたりで積み重なると、いざという時に大変になります。
出典:知恵袋
■注文住宅のコストダウンは、日々の散らかり防止の積み重ね
片付けや処分は、ためてしまうと大変です。
細かい事からクセを付けておくと、簡単に済みます。
▼すぐに処分するクセを付ける
ポストに入っているダイレクトメールや郵便物、電気水道のメーター表、ダイニングテーブルの上にポンと置く。後で分けようと思いながら1週間、2週間気づけば、テーブルの上がどんどん散らかっている。そんな経験ありませんか?
スグに目を通し必要なければ捨てる。その日のうちに処分するクセを付けると散らかりを防げます。
▼モノを持つルールを決める
すぐに処分できないモノや時もあると思います。そんなときは、ルールを決めておくのはいかがでしょう。DMや郵便物なら箱を用意して、一杯になれば片付ける。洋服は、ケースに入りきらなくなれば処分する。etc.
必要だと思うモノは場所を作ってあげる。例えば、出前のチラシはクリアファイルにためておく。次のチラシが来れば前のチラシは捨てる。
学校のプリントは、掲示場所を作り終われば捨てる。必要な予定はすぐにカレンダーに書き写す。などルールを決めておけば、紙の山にテーブルが埋もれることはなくなります。
▼罪悪感のない処分方法にする
紙もリサイクルとして、子ども会などの資源回収に出せばゴミではなく、資源として役立ちます。しかも、回収日が決まっているので、ルール化もしやすくなります。
不要になった洋服も袋にまとめて、買い取ってくれるリサイクルショップもあります。
お祝い返しなどで頂いた、使わないタオルや食器。リサイクルショップでお金に換えるのに罪悪感があるなら、地域のバザーに出す方法も検討して見てはいかがでしょう。たとえ、その地域でなくても、子どもがその学校に通っていなくても歓迎してくれます。こちらも1年に1回程度だと思うのでルール化しやすくなります。
■まとめ
必要なものだけで暮らすのは意外と難しい事です。増えていくモノに常に判断をつけなくてはなりません。「いつか必要かも」の葛藤と戦うのも大変です。
必要なモノを必要な量だけ持っている。それができる人は本当の「豊かな暮らし」ができているのかもしれません。家の建て替えや新築は、豊かな暮らしを取り入れるチャンスです。まずは、本当に必要なモノを見直してみてはいかがでしょう。
参照:日経電子版 断捨離しのぐ「がらーん」とした家 震災で考え一新 4人家族のシンプルライフhttp://www.nikkei.com/article/DGXZZO65338500V10C14A1000000/?dg=1 住宅市場データ2014/8/5版 共働き家族の「日常生活&収納」の不満http://www.jyuseikatsu.jp/backnumber/imgs/20140805_short.pdf