二世帯住宅 失敗しないためのコツと「カギとなる担当者」の3つの能力とその見極め方
二世帯住居で、失敗しないためのカギを握っているのは(ハウスメーカーや工務店の)打ち合わせ担当者だと知っていましたか?
二世帯住宅のタイプやメリットデメリット、失敗しないためのコツや担当者がカギを握る理由とその見極め方をご紹介したいと思います。
■ 二世帯住宅で失敗しないために、どんなタイプがあるか知っておく
二世帯住宅とひとくくりに言っても、サザエさんのような完全同居型から同じ敷地内に建てるご近所さん型。と形は様々です。タイプを大きく分けると3つになります。
新たに二世帯住宅を建てる、大規模リフォームする場合(土地の大きさなどで制約はありますが)3つのどのタイプか選択する事ができます。
▼【独立タイプ】
玄関、トイレやお風呂、など共有する設備が一切なく完全に分かれているタイプ。
メリット:それぞれが、完全に独立した生活ができるため(横に分けるなら)隣の家、(上下に分けるなら)上の家族の感覚で、防音さえ気を付ければ設備面でのトラブルは少くなります。二世帯住宅が解消された後、賃貸としての利用が比較的簡単にできる。
デメリット::設備や光熱費の基本使用料がそれぞれ必要になるため、二世帯特有の「共有」による金銭的なメリットは少なくなります。
その他:こちらの独立タイプを派生させたものとして、同じ敷地内の別棟として建てる方法もあります。
▼【一部共有タイプ】
玄関、キッチンやトイレ、お風呂など一部を共有で使うタイプ。
メリット::通常2つ必要なモノが1つで済むため、予算やスペースを削減することができます。
デメリット::共有部分の使う時間、使い方、間取りなどでトラブルの原因となる事が多い。今まで自由に、自分たちのスタイルで使えていたものが、共有になると制限される事が増えます。 (例えば、お義母さんがお風呂に長い時間入るので、その間洗面所が使えなくて困る。子供世帯のお風呂の入る時間が遅くて、シャワーの音で目が覚める。など)
その他:たまになら我慢できる事でも、毎日となるとストレスとなってきます。生活スタイルを見極めた上で、設計段階からよく話し合い、間取りで何とかなるものは解決しておきましょう。
▼【融合タイプ】
個室以外の設備は、すべて共有で使うタイプ。
メリット:費用が最大限抑えられ、助け合いのメリットが活かされます。
デメリット::お風呂やトイレ、キッチンすべての設備が共有になるため、一部共有タイプのデメリットに加えて個人のプライバシーをどう確保するか難しくなります。
その他:同居の最初のルール作りや、個室部分の間取りを工夫しておかないと片方、もしくは両家族が不満をため込むことになります。
▼二世帯住宅日本で一番多いのは融合タイプ
日経BPコンサルティングの調べによるグラフですが、ハウスメーカーなどの調査など総合して見ても、日本で一番多いのは「融合タイプの二世帯住宅」のようです。
いわゆるサザエさんやちびまる子ちゃんのような同居の形です。理由としては結婚を機に、親の家へ「子ども世帯」がそのまま暮らし始めるからだと考えられます。
■ 二世帯住宅のメリットは特に子育て。満足度が高いのは「共有型」「独立型」
▼特に子育てに良い影響がある
アンケートによる回答ベスト5です。 特に子育てを一緒にしてもらえることに大きなメリットを感じているようです。
▼二世帯住宅同居者の声
「二世帯住宅では、お互いが助け合えるので良かった」(30代、会社員)
「困ったときに近くにいてくれて心強い」(40代、会社員)
▼特にセパレート型二世帯住宅が満足度は高い
こちらの調査では全体の59.2%が「同居してよかった」と回答。
特に『共有二世帯または独立二世帯』は「同居してよかった」が65.0%
■ 二世帯住宅失敗しないためにデメリットを知っておく「実際の声」と「困ったこと」
▼二世帯住宅で困った!実際の声
・玄関共用は大変。ちょっと、買い物に行く時も、帰宅したときも声をかけなければなりません。
・私が入浴中に主人の父が裸で風呂に入ってきたことがある。
・実の両親とすべて共用の同居。一緒に夕食をとりたかったようですが、子供たちは高校生で帰宅時間がバラバラ。キッチンを共用するのが難しい。
▼お嫁さんの実親か義理親かで違う「困ったこと」
自分の親では「干渉・頼まれごと」が、義理親では「合わない・気遣い」系の項目が上位に多い。目立っているのが、自分の親と暮らす人の「特にない」の多さ。
【自分の親と同居 困ったこと】
【義理の親と同居 困ったこと】
■ 二世帯住宅を失敗させないコツは気配りとルール作り
▼二世帯住宅は心配りが大事 実際の声
・「やってくれるということには素直に甘える」(30代、子世帯)
・「必ずお礼を言う」(40代、子世帯)
・出かける時「行ってきます」「行ってらっしゃい」と声は掛け合うが 「どこ行くの?」「何時に帰る?」など細かく聞かない。(60代、親世帯)
▼ルールを決める
二世帯住宅を仲良く過ごしている家族には、共通してルールが設定されている場合が多い。
また、生活の変化に応じて柔軟に変える発想も必要。
・「お風呂掃除は交代で、順番も決めてある」
・「孫にお小遣いをあげるときは、親に聞いてから」
・「光熱費の分担はきっちりと決めておく」
・「好みが違うので料理は別々に作る」
・「洗濯機は別々で使う時間にも配慮する」
参考記事:二世帯住宅ストレスを減らす間取りのコツと分けるべき文明の利器3つ
■ 二世帯住宅失敗しないプランニングのコツ
▼家を建てる際に気を使った点はプライバシー
やはり二世帯住宅で一番気になるのは、プライバシーをどうとるか?のようです。
【二世帯住宅を建てる際、特に重要視した項目】
▼気配りは努力が必要だが、生活スタイルの違いはプランニングでカバー
生活時間の違いを、部屋の分け方で工夫したり、プライバシーが重視されるお風呂などは、脱衣所の形状や場所の工夫で回避できます。
間取りで解消できるコトは、最初に家作りの段階から考えておく事をお勧めします。しかし、気づきにくいこともあるため、経験者や二世帯住宅の経験豊富な施工業者(担当者)に、頼む方が間違いないでしょう。
■ 二世帯住宅を失敗せずに建てるならこんな担当者がよい
▼失敗しないためには打ち合わせ担当者が重要
「こんな家にしたい」「こんな生活がしたい」と言う思いは誰しもあると思います。しかも、2つの世帯が1つの家で暮らすのですから、時にはどちらかが譲らなければなりません。
今、親子関係がうまくいっていても、家の打ち合わせの過程で「不満」をためてしまうと同居後も引きずってしまいます。お互いが納得して進めていくためにも、間に入る、打ち合わせ担当者の存在は重要です。
▼二世帯住宅、打ち合わせの秘策
弊社の代表がやっていることを見ていると、方法は 以下の2つ。
簡単なようですが、これで上手に乗り切っているように見えます。
【打ち合わせの秘策】
・全員集まった場だけでなく、マンツーマンで 親世帯、子世帯の本音を聞き出している。
・それぞれ意見が分かれた時、間に入り「他の二世帯を建てられた方はこんな方法、取ってましたよ。こっちの方がええんとちゃう?」と経験から第3者提案をしている。(これは、ほとんどの人が納得する。)
▼失敗しない二世帯住宅の担当者は、この3つの能力が必要
・「親・子世帯の本音を聞きだす能力」
・「それを調整し、互いが納得する提案能力」
・「両方を尊重できる話術」
▼担当者を見て聞いておくべき2つのこと
最初の段階で、あなたは担当者の
・「二世帯住宅の打ち合わせ経験がどれくらいあるか?」を聞く
・「折衝能力が高いか?」をよく見る
事が大事です。
■ まとめ
二世帯住宅はプランニング時から、2家族の暮らしと関係性が始まっています。そのカギは取りまとめ役である(ハウスメーカーや工務店の)打ち合わせ担当者にかかっているといっても過言ではありません。
自分で勉強するのも大切ですが、二世帯住宅のコツを知っている担当者に出会う方が、ずっと価値ある事かもしれません。
※アンケートデータ・グラフ出典:日経BPコンサルティング
【二世帯住宅の成功事例インタビュー】
やはり、主人を亡くして・・今は、まだいけますが、先々の事を考えたら心配で・・
▼大阪で建築の事なら、地元のベテラン1級建築士に相談